大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)307号 判決

弁護人の控訴趣意は末尾添附の控訴趣意書と題する書面記載のとおりであつて之に対し当裁判所は次のように判断する。

第一点について。

(中略)

又所論(一)において指摘する如く起訴状には罰条の一部として「食糧管理法施行規則第二十九条」を掲げているに対し原判決には之に対応する適用法令として「同規則第四十七条第一項」を挙げていることは記録に徴して明らかである。しかし主要食糧の輸送又は輸送の委託の禁止規定は従前食糧管理法施行規則第二十九条に定められていたものであるところ昭和二十五年九月十一日農林省令第百一号を以て「…同規則第十八条を第三十六条とし以下順次十八条ずつ繰り下げられた」結果前記第二十九条は第四十七条となつたもので且つ行為当時乃至原判決当時を通じ少くとも違反主要食糧である大豆に対する適用関係においては何等の変更を受けていないものである。従つて違反行為乃至起訴当時既に前記条文繰下げの改正後であること明白である本件の場合にあつては同規則第四十七条を起訴状に掲記すべきであつたのであるが、前記法条変更の経過に鑑みるときは同規則第二十九条を掲げた趣旨も主要食糧たる大豆の輸送又は輸送委託禁止規定に該当する条文を指称したものであることが窺われるのみならず、たとい之を以て罰条の記載の誤であるとしても被告人の防禦に実質的な不利益を生ずる虞はないから公訴提起の効力に影響を及ぼさないことは勿論原審が右罰条の変更手続を履践しないで前記同規則第四十七条第一項を適用したのは正当である。

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